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アルバム名:100年後
1曲目のギターの音色がすべてを物語っている。 力の抜けた、ゆるく、メローでチルな感性が広がる。 「諦めて/おいで/これまでは/置いて/広い所へ/飛び越えた/あとはもう/見た事がない場所が/前に見える」 この歌詞が暗示するように、『100年後』は、山を登っていたらいつの間にか、 だだっ広い草原、まだ足を踏み入れたことのない広い場所に自分がいる、 そこには心地よい風が吹いている……たとえばそんな空想をうながす。 『100年後』とは、『homely』で見せた高いテンションの後のドリーミーなリラクゼーションである。 オウガ・ユー・アスホールの3人は、前作の続編を作るような手抜きをしなかった。 彼らは、ある意味ではよりポップな展開を探求していると言えるだろう。サイケデリックだが、 AOR的でもあり、何気に聴くと歌謡曲みたいだが、実はエクスペリメンタルである。 相変わらず音を聴くことの楽しみがある。遊び心旺盛で、さまざまなトリックや仕掛けがある。 音でトリップしたい人はヘッドフォンで聴くと良いでしょう。 今日生きている人間のほとんどが居なくなっているであろう『100年後』という未来を示すアルバム・タイトルも興味深い。 そして、アルバムの最後に繰り返される「なにもない」という言葉が、これほど切なく前向きに響いている音楽もない。
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